気候変動対策について協議する国連の会議(COP21)で、各国代表は「大切なすべてのものを守ることができる」画期的な目標を定めました!
私たちが行った、マーチ、署名、電話、寄付、メールといった活動。その活動はすべて、人類の歴史において非常に重大ですばらしいこの転換点を目指してやってきたのです。
その目標とは「ネット・ゼロ・ヒューマン・エミッションズ(人間活動による排出量の正味ゼロ)」と呼ばれていますが、大気中への温室効果ガスの排出量と吸収量とを均衡させ、排出量を実質ゼロにすることを目指します。交渉が一段落して、「パリ協定」が各国の政策に反映される時には、クリーン・エネルギーこそが、この目標を達成するのに最も安価で効果的な最善の策となっているでしょう。次世代のために安全な未来を築くという夢の、これは大切な土台です。
この瞬間は、人々がムーブメントを築いてきたからこそ生まれたのです。。ここ2週間、Avaazコミュニティは歴史的な合意を後押しする上で、非常に重要な役割を果たしました。世界中で何十万人もがマーチに参加し、過去最高の動員数を世界各地で達成しました。各国代表が会場入りした際には、録音したAvaazメンバーのメッセージをスピーカーで一斉に流すことで、文字通り私たちの「声」を届けました。その後、Avaazスタッフによる国連事務総長への署名提出に続き、数々のキャンペーンが展開されました。
「2014年、国連事務総長が各国首脳を招き開催した気候変動サミットで、数十万人もの市民がニューヨークの街頭を歩く姿を目にし、大衆の支持は私たちの側にあると確信しました。」
気候会議のスタートからゴールまで、私たちは交渉進展の妨害を試みる国に対応し、そのような国が主導権を握れば、その先手を打ちました。わずか14日間で、Avaazコミュニティのメンバーは45の異なるアクションを組織し、意欲的な合意を目指すよう各国代表に訴えました。それらのアクションは、実際に大きなインパクトを生み出したのです。
インドが「クリーン・エネルギー100%」合意への反対を表明したときには、同国南部チェンナイで起きた洪水の様子(Avaazメンバー撮影)を、インド全土からのメッセージと共に、会場内のスクリーンで上映しました。翌日 メディアは、 インドのモディ首相が方針を変えたことを、首相の次の言葉を添えて報じました。「方針転換の理由ですか?気候変動交渉会場の巨大スクリーンに映し出された、チェンナイ洪水の被災者インタビューのビデオです。」
しかも、これはほんの始まりに過ぎませんでした。私たちのマーチの動画、録音メッセージ、ビデオを通じた訴えは、本会議場の外にある巨大スクリーンに繰り返し映し出され、各国の首脳、閣僚、交渉官、そしてスタッフたちが、 毎日何度もアクションを求める私たちの声を聞いたのです。
私たちはまた、化石燃料産業のロビイストや気候変動否定論者の指名手配ポスターをパリの街中いたるところに貼り、各国の閣僚たちに彼らの主張を無視するよう訴えるキャンペーンを展開しました。結果、 世界最大の鉱業会社のロビイストは、パリの気候会議会場から退場
したのです!アルゼンチンとサウジアラビアによる妨害の動きが顕著になったとき、両国のAvaazメンバーは緊急アクションを起こし、その活動はメディアでも大きく取り上げられました。アルゼンチンでは、再生可能エネルギー推進を掲げた大統領が新たに就任したところでしたが、新大統領のもとには代表団をパリに派遣するよう求める大量のメッセージが届けられました。そのかいあって、数日後には同国代表団はパリに到着しました。サウジアラビアでは、政府が世論の注目を恐れるあまり、代表弁護士からAvaazスタッフに「訴える」との電話があったほどです。
数時間前には、ドイツの大臣がAvaazメンバーに直接声をかけ、交渉中ずっと、彼女と代表団のメンバーは、私たちの力強い支援を感じられたと感謝してくれました。
ですが、おそらくAvaazコミュニティによる最もパワフルなキャンペーンは、気候危機の最前線にあるマーシャル諸島の代表をパリ会場に派遣するため、私たちが数十万ドルの寄付を集めたことです。パリで、マーシャル諸島の大臣は「気候ヒーロー」の一人となりました。交渉の邪魔をしていた途上国と先進国の間の壁を打ち破る「野心的な合意を求める連合」の存在を発表し、100カ国が協力して取り組んでいくことを可能にしたのです。
「連合」が他国にも参加を呼びかけたとき、Avaazメンバーは署名と携帯メールを使ったキャンペーンを立ち上げて、途上国の中でも急成長を遂げている新興経済国に「連合」へ参加するよう訴えました。数時間以内に、ブラジルはAvaazスタッフに返信し、48時間後にはこの「連合」に参加したのです。
これは、短期間で私たちが行った数々のキャンペーンのほんの一部にすぎません!
気候会議については、失敗するとの予想がほとんどでした。 各国の首脳たちは、Avaazのスタッフに繰り返し語ったものです。「人々は気候変動など気にかけていません」。ですが私たちは、そんなはずはないと思っていました。毎年行うアンケート調査で、Avaazコミュニティの何百万人ものメンバーたちが、地球を救うことを最重要課題のうちの1つに何度も何度も選んできたのを知っていたからです。
2007年以来、バリで、コペンハーゲンで、G7サミットで、世界の主要各都市で、そして今回はパリで。私たちは世界各国の首脳たちに、彼らが間違っていることを示してきたのです。
Avaazが気候変動への取り組みを始めたのは、今から8年前、バリ島での会議からです。私たちは気候変動対策を妨害しようとする国々へ何千というメッセージを送り、また新聞に広告も打ちましたが、日本のある主要紙は、これらの取り組みが政策転換につながったと評しました。バリ会議終了後、私たちは次の重要なコペンハーゲン気候会議に至るまでの道筋に合意するよう、各国首脳に働きかけましたが、ひいてはこれが今回のパリでの合意へとつながったのです。
この1年間、私たちのコミュニティは全力を、各国首脳が出席するコペンハーゲンでの気候変動会議に傾けました。デモや、キャンドルを灯して祈るキャンペーンなどのイベントを世界中で何百も開催し、各国の担当大臣たちに何十万回も電話をかけました。何百万もの署名を届け、また各国首脳へ向けた「地球からの警鐘」キャンペーンも企画しました。首脳たちはコペンハーゲンで画期的な成果を出すことには失敗しましたが、Avaazメンバーの一人は次のように言いました。「象が動き始めた。そして象は一度動き始めたらなかなか止まらないんだ…」
「あなたたちは、世の理想を推進しているのです…それがここに集まる各国首脳に与える影響を過小評価してはいけません」
コペンハーゲンでの気候会議は残念な結果に終わりましたが、私たちは決して希望を失いませんでした。その代わり、Avaazのメンバーは世界各国であらゆる機会を使って、気候対策に必要な政策実現のために必死に闘い続けました。南アフリカのダーバンでの気候会議では、発展途上各国と協力して、抗議デモを行いました。日本の福島原発事故発生の時には、キャンドルを灯して祈りました。貴重なアマゾン保存のためには、全世界から150万人の署名を集めました。
コペンハーゲンでの経験から学んだ教訓は、化石燃料のロビイストに打ち勝ち、各国首脳を説得するには、もっともっと数が多くなければだめだということです。私たちはすぐさま行動に移し、メンバー数を3百万人から3千万人へと増やしました!
多くの提携団体と協力し、準備に何ヶ月もかけた上で、重要な気候変動会議の開催前日、私たちは史上最大の気候マーチを実現しました。ニューヨークでは40万人が参加。ニューヨークを除いた全世界では30万人が行進しました。これらマーチが発信するメッセージはただひとつです。「世界はクリーン・エネルギー100%を望んでいる」。その数週間後、アメリカと中国は温室効果ガス排出を減らす画期的な合意に署名しました。気候問題についての政治的風向きが変わったのです。
「われわれの市民がマーチを続けているのだ。これを聞かなかったふりはできない。この訴えに応えなければならない」
気候マーチの勢いを利用して、私たちは経済大国に焦点を絞り、大国が一堂に集うG7で議長国ドイツのリーダーシップを支持することに全力を尽くしました。私たちAvaazメンバー何千人もが寄せてくれた寄付のおかげで、世論調査を実施したり、気候対策の進展を妨害している主な国々を名指しするというパンチがきいた広告を制作したりできました。ドイツとフランスの主要全閣僚へ、270万人の署名を直接手渡しましたし、オランド仏大統領とも直接対談しました。メルケル独首相がイベントに出席する際には、ほとんどいつも数百人のAvaazメンバーが付いて回り、ドイツが率先して気候対策のヒーローとなるようプレッシャーを与えました。その結果、G7各国の首脳は、今世紀中に段階的に二酸化炭素排出を削減・停止することで、化石燃料と決別すると約束したのです!潮の流れが変わり始めました。
パリ気候会議まで秒読み段階となる中、この重要な会議直前に予定されたマーチへは、何十万人もの人が参加登録をしていました。世界各地で、Avaazは様々なイベントやデモも企画しました。ですが、パリ襲撃という悲劇が起こったため、予定されていたパリでの巨大マーチも、フランス各地でのマーチも、すべてキャンセルされました。
でも、私たちAvaazのメンバーは、これに希望と創造力で応えました。キャンセルが決まってからわずか数日の内に、私たちは靴1万1千足を集め、パリ中心部において展示したのです。これらの靴は、マーチに参加できなくなった人たちを象徴したものですが、この展示は驚くほどの効果を発揮しました。ローマ法王や国連事務総長まで、靴を提供してくれたんですよ!
各国首脳がパリに到着する中、私たちは新記録を達成しました!ブラジルのサンパウロから、イエメンのサナアや、オーストラリアのシドニーまで、78万5千人を超す人々が、175カ国で2千3百件のイベントに参加。声をひとつにして、大切なすべてのものを守るために、クリーン・エネルギー100%へ移行するよう訴えたのです。何十万人もの人が参加する予定だった、パリやフランス各地でのマーチももし実現していたなら…、と想像してみてください!
世界各地で行われたマーチからのメッセージや映像は、ものすごい勢いで広まり、何十もの大手主要紙の一面を飾り、フランス国内外合わせて数百の報道機関に取り上げられ、パリの会議場中心では巨大スクリーンに映し出されています。その勢いは空気の中にも感じられたほどです。
今回結ばれた約束を現実のものとするには、これから先、何十年もかけて取り組んでいかなければいけません。
2050年までにクリーン・エネルギー100%、という目標を達成するには、今回の合意にある「今世紀後半」の基準をもっと厳しくするなど、さらに攻めていく必要があります。発展途上国が化石燃料に頼ることがないように、そして大勢の人々が貧困から抜け出せるように、経済大国は途上国にもっと資金を提供しないといけません。また、島しょ国が水没してしまわぬよう、世界の気温上昇を「1.5℃未満」に抑えるよう、政府に働きかけていかねばなりません。そして最も重要な課題は、私たちの各国政府すべてに、ここパリで約束したことをしっかり守らせることです。
ですが、パリでは多くの成果も生まれました。その一部ご覧ください。
今回の合意でもっとも重要なことは、世界中の投資家たちに向かって、「化石燃料に投資することは、金を捨てるようなものだ。再生可能なものから利益は生まれる。クリーン・エネルギー100%を実現できる技術こそが、将来の金のなる木だ」というメッセージをはっきりと送ったことです。
歴史には、時代の変わりめ、風向きが変わる時というものがあり、それは空気でわかります。人は往々にしてその勢いを利用して、新しい方向へ進むための原動力としてきました。南アフリカで私たちの兄弟たちが法の下の平等を獲得した時。アメリカで性的マイノリティーが自分の愛する人と結婚できる権利を勝ち取った時。インドでガンジーが非暴力運動により新しい希望を生んだ時。私たちも今、そんな新しい風が吹く、時代の変わりめに立っているのです。
いっしょにこの勢いを利用しましょう。同じ人類という帆を張って、私たちを隔てる海や河や湖をいっしょに飛び越えましょう。今回結ばれた約束を守り、次世代の子供たちに美しく安全んでクリーンな未来を届けましょう。
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